当院での前立腺肥大症手術について

当院では、水蒸気を用いて前立腺肥大症を治療する「WAVE治療」を行っています。Rezum(レジューム)という機器を使用するWAVE治療は、2022年9月に保険承認された体に負担の少ない新しい内視鏡手術です。当院には、国内のクリニックでも上位となる80例以上(2024年10月時点)のWAVE治療を手がけてきた実績があります。
WAVE治療は、103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、前立腺組織を約70℃まで上昇させ組織を壊死させる治療です。既存の前立腺肥大症に対する温熱療法と比べ、水蒸気を利用しているため対流によってムラのない治療成果が得られ、尿道粘膜や性機能温存も可能となっています。手術時間はわずか10分、低侵襲で身体への負担が少なく、脊椎麻酔により痛みもほとんど感じません。
なお、治療適応がありますので詳しくは診察時にお尋ねください。
前立腺肥大症(BPH)に対する代表的な治療法

当院のWAVE治療

当院のWAVE治療は、患者さま一人ひとりに丁寧に向き合う前立腺肥大症の治療法です。初診から手術、そして術後のフォローアップまで、患者さまの不安や疑問に真摯に向き合い、メリット・デメリットを率直に説明した上で患者さま自身が納得と安心して治療を選択できるよう、医師・看護師・スタッフがサポートいたします。
治療についての不安・疑問などお気軽にご相談ください。

前立腺肥大症のWAVE治療日帰り手術を受けるメリット
第一に入院する必要がないため、ご家族や日常生活への負担を最小限にすることができます。入院待ちや入院調整もありませんので、ご本人やご家族のご都合に合わせて手術日を決めていただけます。入院費用がかからないので、費用負担も抑えられます。
WAVE治療は、全身状態が良くない・基礎疾患がある、また高齢・認知機能障害により術後せん妄、身体機能低下のリスクが高いために、従来の手術が困難であった方に受けていただくことができる手術です。入院によりご家族と離れる不安がある場合にも、日帰り手術なら精神的なご負担を減らすことできます。安静期間が術後1日程度と短いため、肺炎や肺梗塞などの術後合併症の心配が少ないのもメリットのひとつです。
前立腺肥大症のWAVE治療がおすすめの方
- 高齢(概ね70歳以上)の方
- 基礎疾患や認知機能障害があり、入院に不安がある方
- 高齢等で家族と長く離れるのが難しい方
- ご自身やご家族の予定に合わせて手術日を決めたい方
※2022年版適正使用指針による
前立腺肥大症のWAVE治療が難しい方
- 70歳未満で、従来の手術が適応できる方
- 抗血小板剤、抗凝固薬の休薬が難しい方
- ご家族など責任能力のある成人の方の付き添い・送迎が難しい方
- 医師が入院での管理が必要と判断した方
前立腺肥大症日帰り手術を受ける方へ

手術前の過ごし方
患者さまには当日、日帰り手術を受けるベストコンディションで来院していただきたく思います。風邪や下痢など体調の悪いときには手術を延期する可能性がありますので、体調に気をつけてお過ごしください。休薬の指示が出ている方は、指示通りにお薬の服用を中止してください。

手術当日の注意事項
麻酔を使用するため、手術当日朝から絶飲食となります。所要時間は、術前処置や麻酔から覚めるまでお休みいただく時間を含めて、概ね半日程度となります。麻酔の影響により、ご帰宅時は車や自転車の運転はできません。付き添い、またはお迎えにこられる方と一緒にお帰りください。

手術後の過ごし方
手術当日は麻酔が覚めるのを待ってご帰宅となりますが、麻酔後の影響があるため、翌日まではベッド等で横になり、安静にしてお過ごしください。発熱や痛みなどが続く場合は、当院にご連絡ください。
また、WAVE治療では手術の際に尿道カテーテルを留置します。2〜4週間は、尿道カテーテルを入れたままの生活となります。術後検査およびカテーテル抜去のため、2週間〜1ヶ月後にご来院いただきます。
よくあるご質問
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希望すれば誰でもWAVE治療を受けることができますか?
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当院では2022年版適正使用指針(ガイドライン)に基づき、診察及び検査の結果から手術適応の可否を決定しており、どなたでも治療を受けていただけるわけではありません。患者さまが前立腺肥大症の治療に対して納得いただけるよう、ご説明、ご提案をさせていただきます。
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WAVE治療はすぐに効果が出ますか?
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一般的に治療後2〜4週間経ち、尿道カテーテルを抜去してから治療効果が現れると言われています。個人差はありますが1〜3ヶ月後には排尿状態の改善が期待できます。