当院での尿路結石手術について
当院では、次の2種類の日帰り尿路結石手術を実施しています。いずれの手術も、投薬での結石の排出が難しいと判断した場合に行います。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
衝撃波を体外から照射し、結石を破砕します。砕けて粉々になった結石は、尿とともに排出されます。治療にかかる時間は1時間程度で、基本は坐薬で鎮痛し施術します。麻酔を使わないため手術後はすぐにお帰りいただけます。1回の治療ですべての結石を破砕できなかった場合は、ESWLを複数回行うか、下記TULを検討します。なお、この手術は保険診療と同様の手術ですが、施設基準により当院では自費診療となります。
経尿道的尿路結石除去術(TUL)
尿道から内視鏡を挿入し、結石をレーザーで破砕もしくは摘出する手術です。内視鏡下で確実に結石を破砕できるのが大きなメリットとなります。麻酔を使用するため、ご来院からご帰宅まで半日程度かかります。また、当日は車や自転車の運転はできません。
手術件数
2018年4月~2024年2月現在
経尿道的尿路結石除去術 97 件
日帰り手術を受けるメリット

第一に入院する必要がなく、最長で半日程度で生活に復帰できるため、ご家族やお仕事への負担を最小限にすることができます。
特に体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は麻酔を使わないため、1時間程度の治療後すぐにお仕事に戻っていただくことも可能です。
入院待ちや入院調整もありませんので、ご都合に合わせて手術日を決めていただけます。
また、ご高齢で入院によりご家族と離れる不安がある場合にも、日帰り手術なら精神的なご負担を減らすことできます。
安静期間が術後1日程度と短いため、肺炎や肺梗塞などの術後合併症の心配が少ないのもメリットのひとつです。
尿路結石の日帰り手術がおすすめの方
- お仕事や生活の都合があり、入院したくない方
- 他に大きな疾患がない方
- 高齢等で家族と長く離れるのが難しい方
- ご自身やご家族の予定に合わせて手術日を決めたい方
尿路結石の日帰り手術が難しい方
- 他に大きな疾患のある方
- 抗血小板剤、抗凝固薬の休薬が難しい方
- ご家族など責任能力のある成人の方の付き添い・送迎が難しい方
- 医師が入院での管理が必要と判断した方
尿路結石の日帰り手術を受ける方へ

手術前の過ごし方
患者さまには当日、日帰り手術を受けるベストコンディションで来院していただきたく思います。風邪や下痢など体調の悪いときには手術を延期する可能性がありますので、体調に気をつけてお過ごしください。休薬の指示が出ている方は、指示通りにお薬の服用を中止してください。

手術当日の注意事項
・体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
治療前のお食事はご遠慮ください。また治療の際、結石破砕により若干の痛みを伴う場合があります。
・経尿道的尿路結石除去術(TUL)
麻酔を使用するため、手術当日朝から絶飲食となります。所要時間は、術前処置や麻酔から覚めるまでお休みいただく時間を含めて、概ね半日程度となります。麻酔の影響により、当日は車や自転車の運転はできません。

手術後の過ごし方
・体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
ご帰宅後のお食事は通常どおりでかまいません。ただし、治療後1〜2日間、もしくは血尿が止まるまではアルコールは控えてください。3日目以降も血尿が続く場合や、激しい痛みがある場合は当院にご連絡ください。
・経尿道的尿路結石除去術(TUL)
手術当日は麻酔が覚めるのを待ってご帰宅となりますが、麻酔後の影響があるため、翌日まではベッド等で横になり、安静にしてお過ごしください。発熱や痛みなどが続く場合は、当院にご連絡ください。ご帰宅後のお食事は通常どおりでかまいません。
よくあるご質問
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体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、1回で治療が終わりますか?
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ESWLは体外から体内にある結石に衝撃波を当てるため、1回でうまく結石が破砕できない場合があります。その際は、2回目のESWLを行うか、経尿道的尿路結石除去術(TUL)へ移行します。患者さまの体調やご希望にあわせて進行していきます。
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手術後はすぐ仕事に行けますか?
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体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の場合は、治療後すぐにお仕事や日常生活に戻っていただいても大丈夫です。経尿道的尿路結石除去術(TUL)の場合は、所要時間は半日程度ですが、麻酔を使用するため翌日まで安静にしていただく必要があります。お仕事は、手術当日と翌日はお休みしていただくようお願いいたします。
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手術に付き添いは必要ですか?
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麻酔を使用しない体外衝撃波結石破砕術(ESWL)の場合は、付き添いの方は必要ありません。車や自転車も運転できますので、お一人でお帰りいただくことができます。一方、経尿道的尿路結石除去術(TUL)では麻酔を使用しますので、付き添いまたは送迎が必要となります。