男性の方でおしっこでお困りの方はいらっしゃいますか?
「最近、トイレが近くなった」
「夜中に何度もトイレに起きる」
「以前より尿の勢いが弱くなった」
「尿をしたあとも、まだ残っている感じがする」

こうした症状を「年齢のせいかな」とそのままにしていませんか?
中高年の男性では、このような排尿の悩みに前立腺肥大症が関係していることがあります。

前立腺肥大症は年齢とともに増えてくる身近な疾患のひとつです。症状の程度には個人差がありますが、進行すると毎日の生活に支障をきたしたり、場合によっては尿が出なくなる(尿閉)こともあります。

今回は、前立腺肥大症の症状や、検査、治療について、できるだけわかりやすくご紹介します。

こんな症状はありませんか?

前立腺肥大症では大きく分けて「尿が出にくい症状」と「トイレが近くなる症状」がみられます。

尿が出にくい症状

  • 尿の勢いが弱くなった
  • 尿が出始めるまで時間がかかる
  • 排尿中に尿が途切れる
  • おなかに力を入れないと尿が出にくい
  • 排尿後も尿が残っている感じがする
  • 排尿後に尿がポタポタ漏れる

トイレが近くなる症状

  • 日中、何度もトイレに行く
  • 夜中に何度もトイレのために起きる
  • 急に尿がしたくなり、我慢しにくい
  • 尿をしたばかりなのに、またすぐトイレに行きたくなる

こうした症状がいくつか当てはまる場合には、前立腺肥大症が関係している可能性があります。

前立腺肥大症とは?

前立腺は男性にだけある器官で、膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。通常はクルミほどの大きさですが、加齢などの影響によって徐々に大きくなることがあります。

前立腺が大きくなると、その中央を通っている尿道が圧迫されます。そのため、「尿の勢いが弱い」「尿が出にくい」といった症状だけでなく、「トイレが近い」「夜中に何度も起きる」といった症状が起こるようになります。

前立腺肥大症が進行すると、膀胱の中に尿が多く残るようになったり、まれに尿意はあるのに尿がまったく出せない「尿閉」という状態になったりすることもあります。

「トイレが近い=前立腺肥大症」とは限りません

男性の頻尿がすべて前立腺肥大症によるものとは限りません。
たとえば、過活動膀胱や尿路感染症、糖尿病などほかの原因によってトイレが近くなることもあります。
症状だけから原因を判断することは難しいため、「最近トイレが近くなった」「尿が出にくくなった」と感じたときには、泌尿器科を受診して原因を一度確認しておくことが大切です。

前立腺はなぜ大きくなるの?

前立腺肥大症が起こる詳しい原因はまだ完全にはわかっていません。ただし、年齢とともに増えてくることから、加齢に伴う男性ホルモンなどの変化が関係していると考えられています。

年齢を重ねた男性にとって決して珍しい疾患ではありません。そのため、「歳だから仕方ない」と我慢される方も少なくありませんが、症状や程度に応じた治療によって排尿の状態や生活の質が改善することがあります。

前立腺肥大症の診断のための検査について

まずは「いつ頃から症状があるのか」「どのような症状で困っているのか」などをお聞きします。そのうえで患者さんの状態に応じて必要な検査を行います。

症状の確認

国際前立腺症状スコア(IPSS)という質問票などを使って、頻尿や尿の出にくさなどを確認します。必要に応じて排尿日誌をつけていただくこともあります。

尿検査

尿に血液や細菌が含まれていないかを調べ、尿路感染症などほかの疾患が隠れていないかを確認します。

超音波検査

前立腺の大きさや形、膀胱や腎臓の状態などを確認します。排尿後に膀胱の中にどのくらい尿が残っているか(残尿量)を調べることもできます。

尿流量測定

専用の測定器がついたトイレで排尿していただき、尿の勢いや量、排尿にかかる時間などを調べます。

PSA検査など

必要に応じて前立腺がんの可能性を確認するためのPSA(前立腺特異抗原)検査や、前立腺の大きさ、硬さなどを確認する診察を行います。→PSA検査についてはこちら前立腺がんの初期症状は?「PSA値が高い」と言われたら知っておきたいこと

すべての患者さんに同じ検査を行うわけではありません。症状や年齢などを見ながら、必要な検査をご提案します。

前立腺肥大症の治療方法

前立腺肥大症は、前立腺が大きいからといって必ず治療が必要になるわけではありません。どのくらい症状に困っているのか、前立腺の大きさや残尿の程度、生活への影響などをみながら治療方法を考えます。

症状が軽い場合

症状が軽く、日常生活への影響が少ない場合には、すぐに薬を始めず経過をみることもあります。水分をとる時間帯や量、飲酒、便秘、身体の冷えなど、排尿症状に影響する生活習慣を見直すことで症状が軽くなることもあります。

薬物治療

症状に応じていくつかの種類の薬を処方します。

  • α1遮断薬
    前立腺や尿道の筋肉の緊張を和らげ、尿の出をスムーズにするお薬です。
    尿の出がスムーズになることで頻尿の回数が抑えられることもあります。
  • PDE5阻害薬
    前立腺や尿道などの筋肉の緊張を和らげ、尿の出を良くするお薬です。
  • 5α還元酵素阻害薬
    男性ホルモンの作用を抑えることで、肥大した前立腺を徐々に小さくしていくお薬です。 
  • 漢方薬・植物エキス製剤など
    頻尿や排尿障害に効果があるお薬です。

どの薬が適しているかは、前立腺の大きさや症状、他に服用している薬などによって異なってきます。

薬で十分に改善しない場合には、手術という選択肢も

お薬を続けても症状が十分に改善しない場合や、症状が強く日常生活にも支障がある場合、尿閉を繰り返す場合などには、手術治療を検討することがあります。下記表にあるように術式がいくつかあります。

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当クリニックでの日帰り手術で対応しているものは
WAVE(経尿道的前立腺水蒸気治療)となります。詳しくは日帰り手術のページをご覧ください。

ただし、前立腺肥大症がある方すべてにWAVEが適しているわけではありません。当院ではまず症状や検査結果を確認し、薬物治療も含めて、患者さんに合った治療方法をご提案しています。

「年齢のせい」と我慢せず、一度ご相談ください。

トイレが近い、夜中に何度も起きる、尿の勢いが弱いーー。こうした症状は、人にはなかなか相談しづらいものです。
「このくらいで病院に行っていいのかな」
「歳だから仕方ないのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、排尿の症状には前立腺肥大症だけでなく、ほかの疾患が隠れていることもあります。前立腺肥大症であれば、症状や生活スタイルに合わせて治療方法を選ぶことができます。

きむら泌尿器・腎臓内科クリニックでは「手術ありき」ではなく、まず何に困っているのかをお聞きし、検査結果と患者さんのご希望を踏まえて一緒に治療方法を考えることを大切にしています。

「最近ちょっとおしっこが気になるな」という段階でも大丈夫です。排尿のことで気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
📞0568273788