「下腹部がなんとなく重い」
「足の付け根や会陰部に違和感がある」
「座っていると、おしりの奥のほうが痛くなってくる」
「トイレが近い、すっきりしない」
このような症状はありませんか?


痛みの場所がはっきりしなかったり、症状が良くなったり悪くなったりするため、「何科を受診したらいいのだろう?」と迷われる方も少なくありません。男性の場合、このような症状に慢性前立腺炎(慢性骨盤痛症候群)が関係していることがあります。

慢性前立腺炎とは

前立腺は膀胱のすぐ下にあり、男性特有の器官です。
慢性前立腺炎では、前立腺の周辺だけでなく、下腹部や会陰部、鼠径部(足の付け根)など、骨盤周辺のさまざまな場所に痛みや違和感が現れることがあります。

前立腺炎という名前ですが、必ずしも細菌感染による「炎症」が確認されるわけではありません。そのため現在ではこうした状態を慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群(CP/CPPS)と呼ぶことがあります。

こんな症状が見られます

慢性前立腺炎の症状は人によってさまざまです。

痛み・違和感

  • 会陰部(陰嚢と肛門の間)
  • 下腹部
  • 鼠径部(足の付け根)
  • 腰やおしり
  • 太ももの付け根

などに、痛み、重苦しさ、ヒリヒリする感じなどが現れることがあります。「どこが痛いのかうまく説明できない」という方もいらっしゃいます。

排尿に関する症状

  • 尿が近い
  • 尿をしてもすっきりしない
  • 尿の勢いが弱い
  • 排尿する時に痛む、違和感がある

といった症状を伴うことがあります。

性機能に関する症状

射精時に痛みや違和感を感じたり、勃起障害などの性機能障害が起きることがあります。

慢性前立腺炎の原因とは

慢性前立腺炎の明確な原因は分かっていませんが、全体の1割程度は細菌感染とされています。
細菌が確認されないケースも多くあります。

  • 長時間のデスクワーク
  • 長時間の自動車の運転
  • 自転車やバイク
  • 精神的ストレス
  • 骨盤周辺の筋肉の緊張
  • 疲労

などが症状に影響することもあります。


「ずっと座って仕事をしていると悪くなる」
「忙しい時期になると症状が強くなる」
という方もいらっしゃいます。ただし、原因や症状の出方には個人差があります。
「これをやめれば必ず治る」というものではなく、患者さんのそれぞれの症状や生活スタイルを見ながら考えていくことが大切です。

まずは、ほかの疾患がないか確認します

下腹部や足の付け根の痛み、排尿時の違和感などは、慢性前立腺炎以外の疾患でも起こります。そのため診察では、症状を詳しくお聞きしたうえで必要に応じて検査を行っていきます。

尿検査

血尿や尿の濁り、細菌性や炎症性かどうかなどを調べます。

超音波検査

膀胱や前立腺などの状態を確認します。排尿後に膀胱の中に尿が残っていないか(残尿)を調べることもできます。

直腸診

必要に応じて、前立腺の大きさや硬さ、圧痛などを確認する診察を行うことがあります。
すべての方に行う検査ではなく、症状に応じて必要性を判断します。

また症状を客観的に把握するため、慢性前立腺炎症状スコア(NIH-CPSI)という質問票を使用することもあります。
すべての方に同じ検査を行うわけではなく、症状や年齢に応じて必要な検査を検討していきます。

治療は「その人の症状」に合わせて考えます

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群は、原因や症状がひとりひとり異なるため、治療も一通りではありません。症状に応じて、薬による治療や生活習慣の見直しなどを組み合わせます。
排尿症状が強い場合には排尿を改善する薬、痛みが強い場合には鎮痛剤などを使用することがあります。細菌感染が疑われる場合には抗菌薬を使用することもあります。
大切なのは患者さんの症状に合わせて治療方法を考えていくことです。

日常生活でできること

症状によっては日常生活を少し見直すことで楽になることがあります。

  • 長時間座り続けず、時々立って身体を動かす
  • 自転車やバイクで症状が悪化する場合は長時間の乗車は控える
  • 疲労をためすぎない
  • 入浴などで身体を温め、血行を良くするよう心掛ける
  • 膀胱を刺激する食品(香辛料、カフェインを含む食品など)の摂りすぎは控える
  • しっかりと水分摂取を行う
Handsome business man travelling in a car

などです。
「自分はどんなときに症状が悪くなるのか」を知ることも治療のひとつと考えてみてください。

「こんな症状で泌尿器科に行っていいのかな?」と思ったら

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の症状は、場所も程度も人それぞれです。
「痛いというほどではないけれど、違和感が気になる」
「足の付け根なのか、下腹部なのか、自分でもうまく説明できない」
そんな症状でもかまいません。症状が続いている場合には一度泌尿器科で相談してみてください。

当院では、まず患者さんのお話を聞き、必要な検査を行いながら症状の原因を一緒に考えていきます。
「どこが悪いのかわからないから受診しにくい」と思わず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
📞0568273788